「ライターに仕事を発注したい」企業の方へ。依頼に必要な5つのポイントをまとめました

ここのところ、「いいライターを紹介してほしい」という企業の方からのご相談を受けることがとても増えています。

わたしは去年まで、企業広報領域でフリーライターをやっていました。

昨年から少し手を広げて広報(編集領域)支援の会社をはじめたので、ライティング単体の仕事はできる限り、適任者を探してご紹介するようにしています。

が、しかし。

案件の概要がそもそも掴みにくかったり、情報が足りなかったり、求めていらっしゃるレベル感がわからなかったりして、マッチングに手間取ることが非常に多いです。

どうしたものか……と考えておりましたが、ふと、「よく考えたらそれも当たり前だよな」と思うに至りました。

編集の仕事やメディア運営などのご経験がない限り、「フリーライター」とか名乗られても、どんな仕事をどこからどう頼めるのか、発注するには何をどう準備したらいいのか……馴染みがない企業の方はよくわからないですよね。

そこであらためて、企業の方(初心者)向けに、ライターへ仕事を依頼する際に抑えておきたいポイントをまとめ直してみました。

 

「書き手」が見つからずお困りの企業の方、よろしければ参考にしてください。

▼こんな方向けのnoteです

・事業会社に所属している(非メディア)

・ライターと仕事をするのがはじめてである

・情報発信をするため、ライターを探している

・なかなか案件とマッチしたライターが見つからない

・ライターへの上手な発注の仕方がわからない

※このエントリは、2019/2/15に執筆したnoteの記事を転載したものです。(一部のみ改変)

※ライターというより編集者・ディレクターを探している、という方はどうぞこちらからお問い合わせくださいませ 

 

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0. そもそも「ライター」とは

「……そこからかよ!」と思われた方もいるかもしれませんが、はい、そこからです。というかむしろ、超重要事項です。

 

かつては限られた業界の中にあったライターの仕事

ライターや編集者は、かつてその大半が出版やメディア業界の中でのみ生息していた職業でした。しかし今は、企業活動の一環として自社発信を推進すべく、一般企業が「書き手」を直接、探す時代になっています。

ただ、出版・メディアで当たり前となっている仕事の仕方(それも多種多様)と、一般的なビジネス現場での感覚には乖離があるケースが多く、そこで悲しいすれ違いが起きているのを、私自身もたくさん見てきました。(そもそもビジネスモデルや収益構造が違いますからね)

 

もはや「ライターならこのくらい当然」という常識は存在しない

ちなみにライターは、初期投資ほぼゼロで仕事をはじめることができ、資格等も特に必要ないため、「名刺に“ライター”と書くだけで誰でも名乗れてしまう」、ある意味とてもキケンな職業でもあります。

今はいわゆる「Webライター」なる新たな呼称が定着するなど、ライターが担う仕事の領域はなおいっそう、上下左右に広がり続けていますね。

そのため同じ「ライター」という肩書きでも、得意分野や業界、領域などはもちろんのこと、仕事の仕方、スタンス、実力レベル、業務の守備範囲まで、本当に一人ひとりバラバラ。

 

だから「ライターなんだからこのくらいできて当然」という常識は、とっくに通用しなくなっているのです。

「日本語を書く仕事なんだから、そんな難しくないでしょ?」という発想は、とりあえず一旦、捨て去ってください。

もはや、そこに“理想となる当たり前のロールモデル”は存在しません。だからこそ、仕事の依頼時に丁寧なすり合わせが必要になるのです。

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1. ライターへの依頼時に必要な5つの重要事項

さて、前置きが長くなりました。今回はひとまず、企業の中の方が何かしらのテキスト作成をライターに依頼するとき、必要となる基本のポイントを列挙していきます。

あくまで最低限の項目ですが、参考にどうぞ。

(※最後に、5つの項目+αをまとめたヒアリングシートをつけましたので、ご活用ください)

 

1) 何のため、誰のために、何を書く?

“WHY/WHO/WHAT”を、まずは教えてくださいね。

まずは、大前提となる情報を。

発注時の判断基準となる基本が、“WHY/WHO/WHAT”です。内容次第で、得意・不得意、受ける・受けないなどが分かれます。

 

「いやそんなん当たり前やん」と、思うなかれ。依頼のうち7割は、この3つが網羅されておりません。(※わたし調べ)

●WHY:何のため?

「若手の採用を推進するため」「社内コミュニケーション活性化のため」「新規顧客を獲得するため」など

●WHO:誰のため?

学生向け、社員向け、新規顧客向け など

●WHAT:何を書く?(掲載されるのはどこ?)

販促用パンフレットのテキスト、コーポレートサイトのコンテンツ、採用サイトに掲載されるインタビュー、オウンドメディアの記事、社内報の記事、顧客事例 など

さらに過去記事やサンプルなどがあると、最終的な納品の形がイメージしやすく、齟齬が少なくなります。

 

2)いつから始まり、いつまでに必要な仕事?

ライターのスケジュールをおさえるには、「2段階」必要。

よくあるのは、「●月●日に取材できますか?」「とりあえず●ページあるんですけどお願いできますか?」というご依頼。実は、それだけだと困ってしまうんです。

ライターの仕事の多くは、「取材(ヒアリング)すること」と「書くこと」。かろうじて取材や打ち合わせの日程が空いていても、執筆にかかる時間を確保できるとは限りません。それぞれ別の日程調整が必要です。

「取材(もしくは打合せ)はいつ頃で、納品はいつまでに必要」と、2段階のスケジュールをお知らせください。

 

3)全体のボリュームはどのくらい?

1ページでいいのか、100ページあるのか。それは切実な問題。

ここも抜けがちなのですが、とても重要な情報です。

ざっくりと「サイトのライティング」「パンフレットのテキスト執筆」だけだと、一体何ページ分、何文字分のテキストを書けばいいのかわからず、適切なお見積の算出、スケジュールの確保ができません。

「大体何ページくらいのパンフレット」「何文字くらいのWeb記事」など、おおよそでよいので、執筆する必要がある分量をお知らせください。

 

4)求めている業務範囲はどこからどこまでですか?

「ライティング」と一言でいっても、範囲はすげぇ広い。

一番シンプルな依頼は「このテーマでこの人に取材して●文字のインタビュー記事に仕上げてください」みたいなもの。この場合、ライターが担う仕事は「取材する」「書く」、この2つだけです。

ただ、「ライティング」の周辺には、細々とした仕事がたくさん付随するものです。そこもフォローする必要がある場合は、「どこまでやってほしいのか」を依頼時に必ず伝え、すり合わせておく必要があります。

非常にすれ違いがおきやすいので、注意したいところ。

ライターによって、できる・できないが分かれることもありますし、それぞれにかかる工数、見積りも変わってきますので、ご注意ください。

 

ただし、念の為もう一度お伝えしますが、企業とライターの間には、明確な“常識”は存在しません。どちらが悪い、どちらの配慮が足りない、という話ではないのです。ここで対立しても仕方ないですよね。

 

どっちがやるの? 思い込みですれ違いが起きる仕事の例

・情報発信そのものの戦略策定

・企画・テーマ案出し

・取材先の選定、アポ取り、場のセッティング

・写真撮影、カメラマンアサイン、写真選定

・資料探し、市場リサーチ、データの提示など

・構成・編集(ライティングとは異なります)

・デザインのディレクション、ラフ作成

・校正・校閲

・CMS等への入稿  などなど

 

5)ご予算はいかほどでしょうか?

相場はない。事前に、双方が納得できるかどうかがすべて。

さて、最後のポイント。とても大事なことです。

「企業とライターの間に常識は存在しない」とお伝えしてきた通り、ライティングの相場も、あってないようなものです。ライターによって、また案件の特性や内容によって、見積額もまるで異なってきます。

現実的なご予算がお決まりの場合は、事前にご遠慮なく共有ください。見当がつかない場合は、上記(1)~(4)の情報を伝えた上で、見積依頼をしてみてください。

 

まとめ

↓上記をまとめたヒアリングシートがこちら。よろしければ、DLしてご活用くださいませ。

>>> ライティング依頼用 ヒアリングシート

 

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2. ライターではなく、編集者がいない問題

さて、ここからは多分にわたし個人の見解を含みますので、「1」で納得いただけた方は読み飛ばしてください。

 

「編集者」という専門職の存在

上記の「5つのポイント」を見て、おそらく8割くらいの方が「め、面倒くさい……」「その整理もできれば任せたいんだけど……」と思われたのではないでしょうか。

責めているわけではありません。ただでさえ他の仕事も忙しくリソースが限られる中、細々とした手間の多さを考えたら当然のことと思います。

ただ、多くのライターは、本人が一人で、企画や構成から取材、執筆、校正、進行管理、クオリティ管理まですべてを遂行しているわけではありません。(あくまで現状は、の話です)

出版・メディアに関わる仕事の現場では、「編集者」と呼ばれる人たちが上記をとりまとめてライターに発注し、クオリティコントロールを含めたマネジメントを行なっているケースがほとんどです。

(もちろん、その辺りを一人できっちりこなしてくれるスーパーライターさんもいるにはいますが、レアすぎてなかなか出会えません)

そうした仕組みや体制がないビジネスの現場で、いきなり企業の方がライターに漠然と仕事を依頼してすれ違いが起き、「いいライターがいない!(企業側)」「企業は何もわかってない!(ライター側)」という対立構造が生まれてしまうのは、避けられないことともいえます。

 

編集者を介在した仕事の仕方もある

「ライターがいない」という企業の方の嘆きは、裏を返せば「企業側に編集者(的な存在)がいない」という課題につながっていると思っています。

ライターと直接仕事するのではなく、編集者を挟んでみる。

もちろん、企業としてそこにどのくらいコストをかける価値があるのか、編集者はコンテンツ制作を通して何にコミットすべきか、社内で雇うべきかアウトソースした方がいいのか――。議論する余地はたくさんあると思います。

それは企業規模やフェーズ、業種業態、ビジネスモデルなどによってそれぞれ異なるはずですから。

参考)最近は「インハウスエディター」なる呼称も出てきていますね

 

わたしは、そのあたりの「広報領域 × 編集」の仕事に、会社として注力していきたいなと思っているところです。もし「コンテンツを制作したいけどうまくいかない」「ライターを探しているがなかなか見つからない」という企業の方がいらっしゃいましたら、お力になれるかもしれませんので、どうぞお気軽にお声がけくださいませ。

>>>お問い合わせはこちらからどうぞ